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細胞壁破壊霊芝の製造法

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細胞壁破壊霊芝の製造法

特許庁電子図書館より引用

特許番号 第2526185号
発明の名称 細胞壁破壊霊芝微粉末の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 第2526185号
登録日 平成8年(1996)5月31日
発行日 平成8年(1996)8月21日
発明の名称 細胞壁破壊霊芝微粉末の製造方法
国際特許分類第6版
出願番号 特願平3-297270
出願日 平成3年(1991)11月13日
公開番号 特開平5-139989
公開日 平成5年(1993)6月8日

特許権者

識別番号 591253249
氏名又は名称 協同健康自然食品株式会社
住所又は居所 長野県長野市中御所2丁目28番2号

発明者

氏名 中田 福佳
住所又は居所 長野県長野市中御所2丁目28番2号 協同健康自然食品株式会社内

発明者

氏名 善本 知孝
住所又は居所 東京都清瀬市旭が丘2-2-1-204
代理人

弁理士

氏名又は名称 有賀 三幸 (外2名)
審査官 星野 紹英
参考文献
文献 特開昭52-117493(JP,A)
文献 特開昭63-165327(JP,A)
文献 特開平1-120262(JP,A)
文献 特開平3-255030(JP,A)

発明の詳細な説明 0001 産業上の利用分野 本発明は、細胞壁が破砕された霊芝微粉末の製造方法に関し、詳細には細胞壁まで破砕されているため霊芝の有効成分の消化吸収が極めて良好で、胃腸障害がない霊芝微粉末を製造でき、しかも廃棄部分がないため経済的である霊芝微粉末の製造方法に関する。

0002 従来の技術 霊芝は、ヒダナシタケ目サルノコシカケ科に属する茸で、近年、その食用上の効果は、一部の医薬品をもしのぐ程優れていることが確認されており、多方面から注目を浴びている。

0003 従来、霊芝を食用に供するには、(1)霊芝をそのまま煎じて、その浸出液を直接飲用するか、苦味を柔げるために、ハチミツ、砂糖等を添加して飲用する方法、(2)霊芝を水又はアルコールにより工業的に抽出し、このエキスを錠剤、顆粒剤又はドリンク剤等に加工し、これを食する方法、(3)霊芝をそのまま粉砕機又は凍結乾燥粉砕機等により粉体にし、これを飲用する方法がある。

0004 しかしながら、(1)の方法では、エキス抽出が不充分であり、得られるエキスも、最大8重量%(以下、単に「%」で示す)程度で、9割以上は廃棄しているのが現状である。また(2)の方法によっても、エキス回収率は7~9%程度にすぎず、この方法によっても、ほとんどの部分を捨てていることになる。このような廃棄物中には、まだ有効成分が多量に残存しているが、強靱な細胞壁に阻まれてその有効利用は難しい。また霊芝自体高価であることから、上記の如く廃棄することは経済的に極めて好ましくないことである。

0005 一方、(3)の方法は、粉砕して用いるため、そのような欠点はない。しかしながら、従来の凍結粉砕(特公昭63-10135号公報)等の粉砕方法では、外見上かなりの粉砕ができている様に見えても、実際は細胞壁が強靱であるため、多くの細胞は壊れず、そのままである。従って、このような方法により得られた粉体を飲食すると、消化・吸収が悪く、胃腸障害をしばしば起こすという問題がある。

0006 発明が解決しようとする課題 従って、本発明の目的は、霊芝の強靱な細胞壁を破砕し、霊芝の含有する有効成分を可能な限り取り出して有効利用し、しかも、消化・吸収に優れた霊芝微粉末を製造する方法を提供することにある。

0007 課題を解決するための手段 かかる実状に鑑み、本発明者らは鋭意研究を行なった結果、特定の粒度、濃度の霊芝粉体懸濁液を、特定の剛体メディアと共に回転羽根により回転せしめ、得られたスラリーを乾燥すれば、消化・吸収に優れた細胞壁破壊霊芝微粉末が得られることを見い出し本発明を完成した。

0008 すなわち本発明は霊芝を50~200メッシュに破砕し、得られた霊芝粉体に水を加え霊芝濃度10~25%の懸濁液とし、この懸濁液を、直径0.5~1.0mmの剛体メディアが80~85%容量満たされているシリンダーに送入し、該剛体メディアを該懸濁液と共に80℃以下で、回転羽根により回転・混和せしめ、得られたスラリーを乾燥することを特徴とする細胞壁破壊霊芝微粉末の製造方法を提供するものである。

0009 本発明の製造方法を実施するには、まず霊芝を50~200メッシュに破砕する必要がある。ここでの破砕方法は特に限定されないが、例えば採取した霊芝を80℃程度で焙煎し、殺菌、乾燥し、水分を10~12%までとし、これをハンマークラッシャー、ミル等を用いて破砕する方法が挙げられる。また、200メッシュに近い細かい粉末を得るには、凍結粉砕が好ましい。原料霊芝粉体の粒径が50メッシュより大きいと、細胞壁まで破壊された微粉末は得られない。

0010 得られた粉体は、水を加え、濃度10~25%の水懸濁液とする。この濃度が10%未満であると、次の工程の作業効率が悪くなり、生産性が低下し、経済的に不利である。一方、25%を超えると、次工程に用いる密閉シリンダーの中で、摩砕を行なうための剛体メディアと霊芝・水懸濁液とが一緒に回転してしまい、摩砕が不充分となるため好ましくない。

0011 霊芝・水懸濁液は、剛体メディアが80~85%(容量)満たされているシリンダーに送入される。この剛体メディアの直径は0.5~1.0mmであり、材質はジルコン又はジルコニアビーズが好ましい。また剛体メディアはシリンダーの内容積の80~85%を満たす量を用いるが、この範囲を逸脱すると破砕効率及び生産性が悪くなり好ましくない。

0012 霊芝・水懸濁液は剛体メディアと共に、回転羽根により回転・混和させられる。この回転・混和によって、剛体メディアと回転羽根の摩砕作用により霊芝細胞壁が破壊されるが、同時に熱が発生する。これを放置すると、得られる霊芝微粉末の品質が悪化するため、温度を80℃以下(好ましくは50℃以下)に保たなければならない。温度を80℃以上保つには、前記霊芝・水懸濁液を前もって冷却しておくか、シリンダーの外部に冷却外套等の冷却装置を設ける等の処置が行なわれる。なお、回転羽根の材質は焼入鋼、ステンレススチール、アルミナが好ましく、形状は円盤形で矢じり状の切込みが入っているものが好ましく、その回転数は2,000~3,500rpm とすることが好ましい。

0013 本発明製造方法を実施する装置としては、冷却外套を備えた連続湿式微粉砕機が好ましく、市販のものとしてはダイノ-ミル(DYNO-MILL, Willy A. BachofenAG Maschinenfabrik )が好適である。ダイノ-ミルを用いる場合は、前記懸濁液の流量を5~150l/hrとすることが好ましい。

0014 以上の如くして、得られた細胞壁破壊霊芝のスラリーは、次の乾燥工程を経て、製品化される。乾燥は、霊芝微粉末が変質しない方法であれば特に限定されないが、工業的にはスプレードライヤーによる方法が好ましい。なお、スプレードライヤーを用いて乾燥を行なう場合は、前記スラリーが粘着性を増しているため、乾燥工程中にスプレードライヤー本体に付着し、焦げてしまうおそれがあるため、付着防止剤、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)の微結晶粉体を10~15%添加するのが好ましい。また、スプレードライヤーを用いて乾燥する際の温度は、入熱が120~140℃で排熱が70~90℃とすることが好ましい。

0015 かくして得られる霊芝微粉末は、従来の方法では全く破壊されなかった細胞壁が破壊されており、その粒径は約90%以上が350メッシュ以下である。

0016 発明の効果 本発明の製造方法によれば、霊芝の強靱な細胞壁を破壊することができるため、細胞中の有効成分を充分活用することができ、しかも胃腸障害を起こすことがない。更に、本発明方法によれば、短時間に大量の霊芝微粉末が得られ、しかも廃棄部分がないため、極めて工業的、経済的に有利である。

0017 実施例 次に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0018 実施例1採取した霊芝1000gを80℃、120分間焙煎し、殺菌、乾燥し、水分を11~12%とし、これをハンマークラッシャー(相互産業(株)社製,3型)を用い5分間粉砕を行ない5メッシュとした。これを更にボールミル((株)山本鉄工所製,ミルト2号B型)を用い、5分間粉砕し、50メッシュの霊芝粉末を450g得た。なお、クラッシャー粉砕前の霊芝水分を60%として計算すると5%のロスであった。得られた霊芝粉末を電子顕微鏡で観察すると、まだ霊芝細胞は破壊されていないことが判った(図1)。このようにして得られた霊芝粉末に水を加え、濃度10%の霊芝・水懸濁液を調製し、温度を10℃にした。次いで直径0.5~1mmのジルコンビーズを密封シリンダー容量の80%封入したダイノ-ミル中に、前記懸濁液を流量15l/hrにて送入した。密閉シリンダー中では焼入鋼製の羽根が3200rpm で回転しており、これにより、ジルコンビーズ及び前記懸濁液を回転・混和せしめ、霊芝細胞壁を摩砕した。この時、同時に冷却外套をセットし、温度を調節した。この結果細胞壁が完全に破砕された50℃の霊芝スラリーが連続して得られた。次に冷却機より5℃に冷却した後、タンクにて貯蔵し、霊芝スラリーに10%のCMCを付着防止剤として添加した後、スプレードライヤーを使用して、アトマイザー法により入熱/排熱=130/80℃の温度にて乾燥して求める霊芝微粉末を得た。得られた霊芝微粉末は、その90%以上が350メッシュ以下であった。

0019 試験例1実施例1で得られた細胞壁破壊霊芝微粉末と従来の凍結粉砕により得られた粉末とを電子顕微鏡にて観察した。結果を夫々図2及び図3に示す。この結果より、本発明方法による微粉末は細胞壁が完全に破壊されていることが判った。

0020 試験例2試験例1と同じ2つの霊芝粉末を用い、その消化率を次の方法で比較した。結果を図4に示す。

消化率測定方法:検体1gにペプシン0.3gを加え、温度約45℃にて振とうし、次式により消化率を求めた。

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