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非煮沸可食姫マツタケの製造法

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非煮沸可食姫マツタケの製造法

特許庁電子図書館より引用

【特許番号】特許第3362984号
【発明の名称】非煮沸可食姫マツタケの製造法

【出願番号】特願平6-296239
【出願日】平成6年11月30日(1994.11.30)
【公開番号】特開平8-149964
【公開日】平成8年6月11日(1996.6.11)
【審査請求日】平成12年2月21日(2000.2.21)
【特許権者】
【識別番号】591253249
【氏名又は名称】パワフル健康食品株式会社
【住所又は居所】長野県長野市中御所2丁目28番2号
【発明者】
【氏名】中田 福佳
【住所又は居所】長野県長野市中御所2丁目28番2号 協同健康自然食品株式会社内
【代理人】
【識別番号】100068700
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 三幸 (外3名)
【審査官】 鈴木 恵理子
【参考文献】
【文献】特開 昭49-85256(JP,A)
【文献】特開 平5-252894(JP,A)

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は姫マツタケの消化困難な細胞壁を破砕して、煮沸あるいは抽出操作をすることなく食用に供することのできる非煮沸可食姫マツタケの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】姫マツタケは菌糸の集合体であり、ヒトはその集合体である子実体と呼ばれる茸を食用としている。しかし、姫マツタケの菌糸壁はキチン質及びヘミセルロースで構成されており、極めて消化性が悪く、加熱しなければ食用に供することができないものであった。
【0003】また、近年、その薬効が注目され、健康食品として服用することが行われている。しかし、その豊富な栄養成分及び薬効成分の多くは菌糸壁に蓄積されているため、加熱処理したり、エキス抽出を行っても、これらの成分を充分に取り出すのは困難であり、従って、有用な成分を含むにもかかわらず、これを充分に利用できないのが実状であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、姫マツタケの菌糸壁を破砕して、その有効成分を取り出すことが考えられるが、これまで、この強靱な菌糸壁を充分に破砕する方法が知られていなかった。従って、本発明は、姫マツタケの菌糸壁を破砕して、その有効成分を充分に利用できる食品を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような実情において、本発明者は鋭意研究を行った結果、特定の剛体メディアを使用して破砕すれば上記目的にかなった食品が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、姫マツタケを20~100メッシュに粉砕し、得られた姫マツタケ粉末に水を加えて20~90重量%の懸濁液となし、この懸濁液を直径0.5~1.0mmの剛体メディアが80~85容量%満たされたシリンダーに送入し、50℃以下の温度で回転混和し、得られたスラリーを乾燥することを特徴とする非煮沸可食姫マツタケの製造法を提供するものである。
【0007】本発明の製造方法を実施するには、まず姫マツタケを20~100メッシュに粉砕する。粉砕方法は特に限定されないが、例えば姫マツタケを80℃程度で焙煎し、殺菌、乾燥し、水分を5~10%までとし、これをアルピネ、ミル等を用いて粉砕する方法が挙げられる。また、100メッシュに近い細かい粉末を得るには、凍結粉砕が好ましい。
【0008】得られた粉体は、水を加え、濃度20~90重量%の水懸濁液とする。この濃度が20%未満であると、次の工程の作業効率が悪くなり、生産性が低下し、経済的に不利である。一方、90重量%を超えると、次工程に用いる密閉シリンダーの中で、摩砕を行うための剛体メディアと姫マツタケ水懸濁液とが一緒に回転してしまい、摩砕が不充分となるため好ましくない。
【0009】姫マツタケ水懸濁液は、剛体メディアが80~85%(容量)満たされているシリンダーに送入される。この剛体メディアの直径は0.5~1.0mmであり、材質はジルコン又はジルコニアビーズが好ましい。また剛体メディアはシリンダーの内容積の80~85重量%を満たす量を用いるが、この範囲を逸脱すると破砕効率及び生産性が悪くなり好ましくない。
【0010】姫マツタケ水懸濁液は剛体メディアと共に、回転羽根により回転・混和する。この回転・混和によって、剛体メディアと回転羽根の摩砕作用により姫マツタケ細胞壁が破壊されるが、同時に熱が発生する。これを放置すると、得られる姫マツタケ微粉末の品質が悪化するため、温度を50℃以下に保たなければならない。温度を50℃以下に保つには、前記姫マツタケ水懸濁液を前もって冷却しておくか、シリンダーの外部に冷却外套等の冷却装置を設ける等の処置が行われる。なお、回転羽根の材質は焼入鋼、ステンレススチール、アルミナが好ましく、形状は円盤形で矢じり状の切込みが入っているものが好ましく、その回転数は2,000~3,500rpm とすることが好ましい。
【0011】本発明製造方法を実施する装置としては、冷却外套を備えた連続湿式微粉砕機が好ましく、市販のものとしてはダイノ-ミル(DYNO-MILL, Willy A. BachofenAG Maschinenfabrik )が好適である。ダイノ-ミルを用いる場合は、前記懸濁液の流量を5~150l/hrとすることが好ましい。
【0012】以上の如くして、得られた細胞壁破壊姫マツタケのスラリーは、次の乾燥工程を経て、製品化される。乾燥は、姫マツタケ微粉末が変質しない方法であれば特に限定されないが、工業的には減圧真空乾燥による方法が好ましい。なお前記スラリーが粘着性を増しているため、乾燥工程中に乾燥機本体に付着し、焦げてしまうおそれがあるため、付着防止剤、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)の微結晶粉体を10~15%添加するのが好ましい。また、減圧乾燥機を用いて乾燥する際の温度は、40~60℃とすることが好ましい。
【0013】かくして得られる姫マツタケ微粉末は、従来の方法では全く破壊されなかった細胞壁が破壊されており、その粒径は約90%以上が350メッシュ以下である。
【0014】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、姫マツタケの強靱な細胞壁を破壊することができるため、細胞中の有効成分を充分活用することができる。
【0015】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0016】実施例1採取した姫マツタケ1kgを80℃、120分間焙煎し、殺菌、乾燥し、水分を11~12%とし、これをアルピスを用いて5分間粉砕を行い5メッシュとした。これを更にボールミル((株)山本鉄工所製,ミルト2号B型)を用い、5分間粉砕し、50メッシュの姫マツタケ粉末を450g得た。なお、クラッシャー粉砕前の姫マツタケ水分を60%として計算すると5%のロスであった。得られた姫マツタケ粉末を電子顕微鏡で観察すると、まだ姫マツタケ細胞は破壊されていないことが判った。このようにして得られた姫マツタケ粉末に水を加え、濃度10%の姫マツタケ・水懸濁液を調製し、温度を10℃にした。次いで直径0.5~1mmのジルコンビーズを密封シリンダー容量の80%封入したダイノ-ミル中に、前記懸濁液を流量15l/hrにて送入した。密閉シリンダー中では焼入鋼製の羽根が3200rpmで回転しており、これにより、ジルコンビーズ及び前記懸濁液を回転・混和せしめ、姫マツタケ細胞壁を摩砕した。この時、同時に冷却外套をセットし、温度を調節した。この結果細胞壁が完全に粉砕された50℃の姫マツタケスラリーが連続して得られた。次に冷却機より5℃に冷却した後、タンクにて貯蔵し、姫マツタケスラリーに10%のCMCを付着防止剤として添加した後、減圧低温乾燥機を使用して、姫マツタケ微粉末を得た。得られた姫マツタケ微粉末は、その90%以上が350メッシュ以下であった。

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